脳内の話

 

お久しぶりです

 

フォロワーが「推し、燃ゆ」を読んでいたので、そういえばと思い出し、本棚から取り出した所存です。

 

現在、深夜3時半 読み終わってすぐにブログに叩き込んでいます。

以下、全てネタバレになりますのでご注意ください。

 

 

この本は、芥川賞を受賞してすぐに購入したのですが、長いこと本棚に居座っていて。

なんてったって、私はアイドルを応援しているオタクだから。

アイドルの話どうやって書かれるんだろう、絶対私引きずるな~、、、、

とビビり散らかしていました。

 

 

ざっくりあらすじですが

主人公のあかりは発達障害を持つ女子高生。アイドルグループ「まざま座」に所属している真幸くんのファンです。真幸くんは女の子を殴り、炎上騒ぎになることから話は始まります。

生きずらさを感じる中であかりは真幸を応援し、解釈することで自分は生きていると実感していました。合わないバイトも真幸に使うお金を稼ぐために行く。

そんな彼女は生活の中心にいつだって真幸がいました。

しかし真幸は芸能界を引退し、普通の人となります。

 

 

そんな感じの本を読んだ、私のぐちゃぐちゃな脳内のブログです。

 

 

 

 

 

まず装丁の話からします。めちゃくちゃ好きだったので。

 

文芸書で購入したら分かるのですが、カバーはピンク、その下の表紙は深い青で波の模様がシルバーで描かれています。あかりの推し真幸くんのメンバーカラーの青。遊び紙もすべて同じ色でした。

中表紙はタイトルを囲うように銀色の輝くインクで光が描かれている。私たちも知っているステージの光の反射。

スピンも青色で読むのを中断して挟むとき、鮮やかな青が文字上にのし掛かる。

あかりは身の回りの物をとにかく青で統一していました。だから、文字の羅列に挟まる青に、どんな瞬間でも彼女に青は押し挟まってきたことを視界上でありありと突き付けられて苦しかった。

 

カバーがピンクであることも、女の子らしいとか、世間一般の「普通」を浴びせられてきたあかりが無理に纏っているようにも思えたなあ。

 

 

 

あかりは本文で

未来永劫、推しは上野真幸だけだった。彼だけがあたしを動かし、あたしに呼び掛け、あたしを許してくれる。

と述べています。

 

私は、自担は一人ではないしリスクヘッジだとも思っているから、いつか動かなくなる推しを考えて自分の延命措置を様々な角度で自担たちに課し、命をつないでいるのだな、と自分の図太さとエゴを改めて自覚しました。

 

 

 

 

 

私はあかりと違ってアイドルに救ってもらったことはないかもしれないな、と思いました。

彼らを好きな自分が好き、自担を解釈するのが好き、そういったものはあるんだけれど

彼らがそこに立つのにどれだけ努力してきたか、血反吐を吐いているのにも関わらずキラキラしたパフォーマンスだけを見せてくれる。

それらを見るとき、私は精神的に健康でなければ受け取ることが出来ないから。

一緒に頑張ろうと思うより沈んでしまったとき、彼らの顔を見ると何も達成できていない自分の外堀がありありと型取られたようで吐き気がしてくる。

 

あかりは本文で

推しを推すことがあたしの生活の中心で絶対で、それだけは何においても明確だった。中心ていうか、背骨かな。

勉強や部活やバイト、そのお金で友達と映画観たりご飯行ったり洋服買ってみたり、普通はそうやって人生を彩り、肉付けることでより豊かになっていくのだろう。あたしは逆行していた。

と述べます。

あかりは自分がどんな状態であっても享受し、それを読み取ることをやめなかった。彼女の生きるための絶対的な「背骨」。

あかりにとっては、私は「普通の人」だろうな。

私にとって推しは背骨ではなくて、外に出るための鎧に近いのかなと思った。

社会に馴染める洋服、顔を作るメイク道具、自分を良く見せるためのアクセサリー。

なくたっていいけれど一度気に入ればもっと良いものが欲しくなる、そういう感じ。

そんな私は、どんどんアレがコレが、と欲にまみれてブクブク肥えて醜くなっていくのかもしれない。

 

 

 

あかりは四歳の時に12歳の真幸にピーターパンの役として出会い、その後高校生なって、アイドルグループ「まざま座」24歳の真幸にもう一度出会うんだけど、この12年の空白は大きいな、と思う。真幸にはたくさんの変化があっただろうな。

 

最近、自分よりも年下のJrの子たちを見るようになってから、ここからどうなるんだろう、というドキドキといつか見れなくなるのかもしれない、という不安が同時に訪れるようになった。

あかりのように、彼は永遠であると信じられない。いつかのなにかを考えてしまう。

未来永劫などどこにも存在しないのだから。

 

 

 

 

 

 

アイドルたちが発言することはいつだって私たちの健康のことで実際に私たちがやっていることとは真逆で。

盲目にさせるアイドルの暴力的な魅惑が膨大な欲を生んでしまう。

良いことではないとわかっているはずなのにね、いつだって今を優先してしまう。

 

だって今しか見れないんだもん。明日にはきっと違うことを言うから。

私の好きな人は、ね?

彼らの中には私たち個人はいないし、いつだって有象無象で。

だけど、だからこそ私は自分勝手にぶつかれてしまう、アイドルはみんなそんな私に様々な表現をくれる。その繰り返し。

両者ともwin-winと呼べるのかなあ。

 

 

 

 

 

私は、寝る前にそっと自担のブログを読み、自撮りをみて、あぁ彼は今日も元気だったんだな、と嬉しく感じる。

 

ただそれだけ。

 

 

 

 

では、また~